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母のこと 遺言

天国に旅立つ4日前、

母が私に託したこと。



1月5日、二人きりになった夕方前、

母の喉からはヒューヒューと音が鳴り、
肩で息をしながら、苦しそうな小さな声で


「この息苦しさだとそう長くはないと思うから」


とゆっくり話しはじめた。


母の平静さに圧倒されながら
しっかり聞かなくてはいけない!と思うほどの母の覚悟を感じ、
私はその話しを涙を流しながら聞いた。



葬儀場所

人数

通夜に出す料理内容



お墓の場所、石の種類

そして湯灌のこと、

最後のお化粧は姉とふたりでしてほしいと。




また、施主は私の主人に託すと。
それは既に父に話してあるとのことでした。



腹を据えた母の言葉のひとつひとつは
とても具体的でした。

しかし、今となっては否定する言葉すら
残されていない虚しさに、
ただただ
心がギュッと掴みされているような感覚でした。



それ以上に
人生への中断を強いられた母は
どんな思いでこの言葉を発しなくてはならなかったかと
想像するとたまらない気持ちです。





その翌日

「もう話す事が出来なくなりそう」

とポツリと言った母は
夕方の回診で部屋に訪れた主治医に
いつものように、どうですか?と聞かれました。

すると母は、

「お世話になりました。」

と、会釈をしながら
丁寧に先生に挨拶をしました

主治医は、動揺を隠しきれませんでした。

母曰く「嘘のつけない良い先生」でしたから。



その夜、
母の両側にいた父と私に突然


「パパ、サンキュー」


「○○○○、ありがとう」


と、はっきりとした口調で言いました。



私の頭は真っ白になり、
その後の事は覚えていません。


母はたったひとり
自分の置かれている
身体の状態を悟っていたのですね。


翌日、ほぼ昏睡状態に入りました。


泣き言、不安、不満を
一切言わず、ただひとり静かに戦い
最後まで強く気丈な母でした。





明日は、お通夜です。


母が託した言葉ひとつひとつを現実にし
母が見守る中、滞りのない一日となりますように。

見ててよ!まま。


by home-cafe | 2015-01-14 00:54 | Diary*
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